冬の光にヴェールは要らない

どうせ綺麗事を言われて諭されるか、怒れられるかのどちらかだ。

本当は聞きたくもないけれど、逃げる元気も無かった。

すると、何故か壮矢は私の腕に手を重ねてギュッと握った。


「嘘つきで良いよ。でも、離れないで」


壮矢が言った言葉はそれだけだった。私の腕に重ねていた手で、私の手を握る。

手を握ったまま、何も言わなかった。

何も言わない壮矢にホッとした自分に腹が立つ。

それでも、壮矢の言葉に安心を感じていることだけは明白だった。

どれだけ最低な言葉を言い放った後でも、人は責められることが嫌いらしい。