冬の光にヴェールは要らない

翌日の朝、いつもと違う行動をする。

普段は天気なんて家を出る時に確認するのに、今日は目覚ましを止めてすぐに自分の部屋のカーテンを開けた。

「まぶしっ」

寝起きの身体に突然の日光が差し込んで、ついそう口から(こぼ)れてしまう。

カーテンの外は青空が見える。

雲も浮かんでいるが、雨雲のような灰色の雲じゃない。

今にも消えて無くなりそうな白色の雲だった。天気予報を見なくても、雨が降らないことは明白だった。

スクールバッグを開けて小さな紙袋をもう一度確認する。

何故あの青年が私に手袋を渡したかは分からない。

でも、分かる必要もない。

この手袋をさっさと渡して、次はもう会わない。
 
私はカーテンを閉めて、朝の支度を始めた。