冬の光にヴェールは要らない

「あら、おかえり。雨に当たらなかった?」

「うん、ギリギリセーフ」

「良かったわ。まぁどっちにしても早く着替えちゃいなさい。明日は確か晴れるみたいだから、自転車で行けるわよ」

「やった」

「やった」と言いながらも、晴れというワードを喜べない私がいた。

冬の晴れ間も冬の太陽も好きなのに、今は喜べない。

それはつまり手袋を返しに行けるということだ。

チャックをしっかりと閉めたはずのスクールバッグは、カフェでお財布を取り出す時にまた隙間が出来ていた。

閉じ込めたはずの手袋が、「明日は晴れ」というワードと共に顔を出す。

玄関でローファを脱いで、自分の部屋に向かう。