冬の光にヴェールは要らない

私が本心に踏み込まれることを極度に嫌うことを杏香は知らない。

それでも、杏香といる時間は好きだった。
 
苺パフェが減っていく。

杏香より少しだけ早く食べ終わりそうだった私は、パフェの底にあるコーンフレークを一枚一枚掬ってゆっくり口に運んでいく。

食べるペースを落とした。

「美味しかったね!」

食べ終わってそう嬉しそうに話す杏香を確認して、私は最後の一口を口に運んだ。

冬の気候は変わりやすくて、午後に止んだ雨は家に帰る頃にはまた降り始めていた。

杏香と別れて家の扉を開ければ、お母さんがちょうど廊下を通っていく。