冬の光にヴェールは要らない

「最近もまだ元気ないし。私だって結構頼りになるんだから、相談くらい乗るよ?」
 
通話なのでもちろん杏香の顔は見えない。

「最近、前より元気になったけれど、まだ何かを悩んでいるでしょ! お見通しなんだからね!」

それはずっと杏香が言いたかったことなのかもしれない。

聞きたかったことをこの機会に言っているようだった。

私が今まで踏み込ませないようにしていたことを感じ取っていたのだろうか。

それでも、もう私は変わり始めている。前に進みたいと思っている。ならばきっと相手に頼ることを……悩みを明かすことだって怖がってばかりじゃいられない。

「杏香、じゃあ少しだけ聞いてくれる?」

「……っ! もちろん!」

ゲームの中で私と杏香は並んで座った。

現実では距離は離れていても、杏香は真剣に私と向き合ってくれている気がした。

「実はね、12月くらいに出会ってから仲良くなった人がいて。その人はいつも私の悩みを聞いてくれるというか……勇気をくれていたの。でも、私はその人に踏み込んだことはあまりなくて……」

そう自分で話して気づいた。私は壮矢に踏み込んで嫌われることを怖がっている。何故、夕日に向かって願っていたのかを聞くことで壮矢に嫌われることを怖がっている。

「踏み込んだことを聞いて、嫌われることが怖いの」

今まで自分は相手に踏み込ませないようにしていたから……相手に踏み込むことはなかったから、そんな勇気を知らなかった。いつも私から離れないで、そばにいてくれた壮矢に私はどれだけ甘えていたのだろう。