冬の光にヴェールは要らない

他のユーザーが作ったものではなくて、ゲームの制作者側が街並みの景観のために作ったもののようだった。

「ドレスも着れるみたい。万桜も一緒に着よー!」

ユーザー用にドレスも貸し出しているようで、自分のキャラクターに合わせたドレスを杏香と選ぶ。

色とりどりの種類が用意されていて、私も杏香もつい真剣に悩んでしまう。

着替えると自分のキャラクターがドレスを来てくるりと回ってくれる。

「万桜のキャラクター可愛い!」

「杏香もドレス似合っているよ。でも普段の私と違ってキャラクターの髪が長いからなんか自分じゃないみたい」

「え、めっちゃ万桜っぽいよ?」
 
杏香は不思議そうな声でそう言い、言葉を続けていく。

「万桜に似て目はぱっちりだし、髪のサラサラ具合も似てる!」

「褒め上手過ぎない!?」

「本当だって。万桜は自分を過小評価しすぎ。それに……」

杏香が一瞬言葉に詰まったように感じた。それでも、きっと何かを言おうとしてくれている。