冬の光にヴェールは要らない

杏香は結局私が好きなオムライスをメニューに入れてくれていたらしい。

「いただきます」

私はそう言いながら、ゲームのボタンをポンっと押した。

たったワンタッチでお皿に乗ったオムライスはすぐに無くなってしまう。

ゲームだから仕方ないにしても少し寂しいものだなと私は思ったが、杏香は「美味しいでしょー!」と楽しそうにしていた。

「うん、おいしいおいしい」

「ちょっと万桜、適当じゃない!?」

「適当じゃないって」

そんな冗談めかした会話もやっぱり楽しいものだなとしみじみと感じた。

私が席を立った頃に他のお客さんも入ってきて、その対応をしているうちにすぐに時間も立ってしまう。

現実で一時間ほど遊んでいると、ゲーム内では夕方になっていた。

「万桜、そろそろ閉店する?」

「杏香のお店なんだから、杏香の思うままにすれば良いよ」

「じゃあ、閉店する! 疲れた!」

「あはは、言うと思った」

レストランを閉めた後は約束通りゲーム内の別のお店を回ることにした。