冬の光にヴェールは要らない

壮矢は立ち上がって私の前に来たかと思うと、私の手を掴んで、私を立ち上がらせる。そして、私の身体を海とは反対の方向に向けさせた。

「じゃあ、頑張っておいで。僕はずっと万桜の味方だから」

壮矢が私の背中をポンっと押してくれる。壮矢の顔を見るために顔だけ振り返った私に壮矢がニコッと笑った。

「勇気を出したい時がチャンスだよ。気持ちが乗った今だから頑張れることだってある!」

私はスマホを取り出して、梨実にメッセージを送る。


[今から会いたい]


私は石階段を蹴って駆け出した。