冬の光にヴェールは要らない

気まずくて誤魔化すようにぎこちない笑みを向けた私に、壮矢は真剣な顔を向けたままだった。

「合同体育大会の時に言った会いたくなかった子がその子。あの日は偶然会ってすぐにそのまま別れたけれど、今連絡が来てもう一度会いたいって書かれていた」

壮矢になんて言われるのか怖くてまた顔を逸らしたいのに、壮矢の真剣な顔を見ていると逸らすことも出来ない。

「万桜」

壮矢に名前を呼ばれて、身体がビクッと震えたのが分かった。

次に言われる言葉を怖がっている。それでも、壮矢はどこまでも壮矢のままだった。

「万桜、なんて言って欲しい?」

そう聞こえた瞬間、先ほどまで枯れていた涙がじわーっと溢れてくるのが分かった。


「頑張れ……って、言って欲しい。もう一度、梨実に向き合う勇気が、欲しいの」


途切れ途切れでもそれは私の心の奥底から漏れた言葉だった。

「このまま逃げていたくない。梨実からも逃げて、今の繋がりからも逃げて、本心も明かせないままの自分を変えたい。上辺だけの繋がりで良いって言い訳をして、相手に向き合うことから逃げている自分を変えたい……!」