誤魔化すことだって今なら出来る。それでも、壮矢と目を合わせればやっぱり勇気が貰えて。
前にもう一歩前に進みたいと願ったのは誰? それは私しかいないはずだから。
私は視線を壮矢からまた海に戻した。流石に目を合わせたまま話すことは出来なかった。
「小学校の時からずっと仲の良い梨実って子がいたの。中学になっても同じ部活に入って、一緒に登下校もして、梨実と話さない日はないんじゃないかってくらい一緒にいた。入ったのは吹奏楽部だったの」
海を見ながらも私の頭の中に流れているのは、あの頃の日々だった。
「私はトランペットで、梨実はフルート。同じ吹奏楽部でも楽器は違った。吹奏楽部って楽器ごとに練習する時も多いし、自然と私はトランペットの中でも友達が出来ていったの」
あの頃の私はまだ中学生で新しい友達が出来ることもやっぱり普通に嬉しかったのだと思う。
「でも、梨実はフルートの中ではすぐに友達が出来なかったみたい。同じ学年の子も少なかったのかもしれないけれど、合う合わないも勿論あるから。それでも梨実はそのことを私には相談してくれていて、私はいつも『私はずっと梨実の味方だから』って言っていた。大袈裟じゃなくて、本当に『ずっと』梨実と友達でいるつもりだった」
中学校の頃の私は、まだ上辺だけの関係を好んでいたわけじゃなかった。
「私だって梨実を信頼していて何でも相談していたし、梨実といる時間が一番楽しかった。でも、梨実は想像よりずっと同じ楽器の中に友達が出来ないことを悩んでいたみたい。クラリネットの中で友達がいる私を妬んでしまうくらいには」
眩しい太陽も、太陽に照らされながら貝殻を探している拓人くんの姿も直視出来ない。
だから、私は数メートル先の何もない砂浜を見つめながら話を続けていく。
前にもう一歩前に進みたいと願ったのは誰? それは私しかいないはずだから。
私は視線を壮矢からまた海に戻した。流石に目を合わせたまま話すことは出来なかった。
「小学校の時からずっと仲の良い梨実って子がいたの。中学になっても同じ部活に入って、一緒に登下校もして、梨実と話さない日はないんじゃないかってくらい一緒にいた。入ったのは吹奏楽部だったの」
海を見ながらも私の頭の中に流れているのは、あの頃の日々だった。
「私はトランペットで、梨実はフルート。同じ吹奏楽部でも楽器は違った。吹奏楽部って楽器ごとに練習する時も多いし、自然と私はトランペットの中でも友達が出来ていったの」
あの頃の私はまだ中学生で新しい友達が出来ることもやっぱり普通に嬉しかったのだと思う。
「でも、梨実はフルートの中ではすぐに友達が出来なかったみたい。同じ学年の子も少なかったのかもしれないけれど、合う合わないも勿論あるから。それでも梨実はそのことを私には相談してくれていて、私はいつも『私はずっと梨実の味方だから』って言っていた。大袈裟じゃなくて、本当に『ずっと』梨実と友達でいるつもりだった」
中学校の頃の私は、まだ上辺だけの関係を好んでいたわけじゃなかった。
「私だって梨実を信頼していて何でも相談していたし、梨実といる時間が一番楽しかった。でも、梨実は想像よりずっと同じ楽器の中に友達が出来ないことを悩んでいたみたい。クラリネットの中で友達がいる私を妬んでしまうくらいには」
眩しい太陽も、太陽に照らされながら貝殻を探している拓人くんの姿も直視出来ない。
だから、私は数メートル先の何もない砂浜を見つめながら話を続けていく。



