冬の光にヴェールは要らない

その日の放課後に海に行く道を歩いていく。

前のように虹は出ていないが、今までよりも海が見えるまでの景色が綺麗に見えた。

今までと違って海に行く道の間に「手袋を返して」とか、「本心を隠して」とか、「世間話を中心に」とか、考えることが減ったからだろうか。

海辺が見える所まで行くと、今日は壮矢と拓人くんの方が先に着いていた。

「あ、万桜お姉ちゃんが来た!」

嬉しそうに駆け寄って来てくれる拓人くんに合わせて私は(かが)んだ。

「拓人くん、こんにちは」

「こんにちは! 今日はね、万桜お姉ちゃんと家を作りたくてね!」

そう言って、砂浜を指差す拓人くんの手元には砂で小さな山が出来ていた。砂で家を作る途中だろう。

「続きを一緒に作ろ!」

私が拓人くんに誘われて私が制服を腕まくりしていると、壮矢が私に小声で話しかけた。