冬の光にヴェールは要らない

隣にいる壮矢の方に顔を向ける。自然に壮矢と目が会う。

「壮矢がいつも私に勇気をくれていたからだよ。壮矢が私から離れなかったから、私も諦めが悪くなったのかもしれない」

壮矢は私と目を逸さなかった。


「万桜、頑張ったね」


ああ、きっと私は子供だ。

きっと壮矢にこうやって褒めて欲しかったんだ。

でも、まぁ子供で良いか。だって私たちはまだ高校生なのだから。

その時、会場に閉会式を始めるアナウンスが響き渡る。

「そろそろ戻らないとね」

私はそう言って体育館に足を向けようとした。でも一言だけ言い忘れたことを思い出して、壮矢を振り返る。


「また、あの海に行くから」


私の言葉に笑ってくれた壮矢の顔が目に焼きついた。それくらい壮矢の顔は眩しかったから。