冬の光にヴェールは要らない

体育館中を見渡せば、扉の近くに壮矢の姿を見つけた。壮矢は体育館を出て行く所だった。

私の身体は勝手に動いて、慌てて壮矢を追いかける。

廊下に出て数十メートルの所で壮矢に追いついた。

「壮矢!」

私の声で振り返った壮矢の顔には驚きが(にじ)んでいた。

当たり前だろう、だって壮矢は私がこの大会にいることを知らなかっただろうし。

私が勝手に壮矢を見つけて、勇気を貰っていただけ。

「万桜の高校も参加してたんだ」

「うん、さっき壮矢を見つけて追いかけて来たの」

壮矢にお見通しだったようで、すぐに「何かあったの?」と聞かれる。