冬の光にヴェールは要らない

梨実(りみ)……」

今すぐにこの場を離れたいのに足が動かない。

それでも数秒経てば身体の力が抜けていて、動くようになっている。

すぐに私は梨実から距離を取るように足早に去ろうとする。

「待って、万桜!」

止める梨実の言葉に耳を傾けたくないのに、歩くペースだけは落ちてしまっていた。

「ねぇ、待って! 謝りたくて……!」

そんな言葉に今更惑わされない。

どうせ梨実なら謝りたいと言うと分かっていた。

だって悪い子ではないのだから。

それでも、謝られたって許せるはずがなかった。