冬の光にヴェールは要らない

「お母さんと何をして遊んだの?」

「えっとね! 一緒にお絵描きをした後に、お母さんがお菓子を作ってくれてね! それで……」

嬉しそうに話していた拓人くんの顔は、何故か途中で暗くなってしまう。

「本当はお兄ちゃんも一緒に遊べたら良かったんだけれど、お母さんが帰ってくる時はお兄ちゃんはいつも『拓人と遊んであげて』ってお母さんに言うから……」

それはきっと壮矢なりの気遣いだろう。

拓人くんはそのまま話を続けていく。

私は少しだけ(まく)れていた掛け布団を直しながら、拓人くんが寂しくないようにもう一歩布団に近づいて座り直した。

「お兄ちゃんがいつも遊んでくれるから僕は寂しくないけれど、お兄ちゃんが寂しくないかは分からないから」

私が思っているより5歳という年齢は大人なのかもしれない。

いや、大人が見落としてしまうようなことすら見えているだけだろうか。