気まぐれ王子と召使い



手を繋ぎながら、学校の帰りの坂道を二人で歩く。
夕日に照らされて見える影は、まるで昔の私達のようだった。


「なぁ下僕。お前を救ってやったのは俺だけだっただろ?他のやつは見て見ぬふりをしてただけ」



優しく、言い聞かせるように語りかける世那に、私はこくり、と頷いて見せた。



「そう、だね……世那だけだった」


世那は私の言葉に満足そうに笑みを浮かべる。


世那の言う通り、水瀬ちゃんも、真堂も、甲斐君も、琥珀君も、皆、言葉だけで何もしてくれなかった。

傍に居たのは世那だけだし、助けてくれたのも世那だけ。


私には、昔から世那だけだった。