気まぐれ王子と召使い



昼休み、5組に向かう途中で真堂を見つけた。

声をかけようと思ったけど、その隣にブロンドヘアーの少女が真堂と話をしていた。



「真堂ってさぁ、ぶっちゃけ山吹夕香里をどう思ってるの?」



頭に冷水を掛けられたようだった。

ドクドクと心臓の鼓動が早まっていき、喉がカラカラに乾ききっている。



「山吹?いきなりなんの話だよ?」


「最近噂広がってるじゃん、真堂って山吹夕香里と交流あったみたいだからどう思ってるんだろうって」



真堂は、私をどう思っているんだろう。

聞きたくない、でも、聞いて安心したい。


隠れて真堂の言葉の一言一句を必死に聞き取ろうとする。

お願いだから、私を否定する言葉を言わないで。

私を救って欲しい、私を理解して欲しい。


聞きたい、聞きたくない、聞きたい聞きたくない聞きたい聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたく





「あー、面白い奴だよ。俺は嫌いじゃないけど」




ヘラりといつもの軽口を言うように真堂は言葉を滑らせた。

その言葉を聞いた瞬間、心臓がふわりと跳ね上がった気がした。