「で、山吹はまた涼井と喧嘩でもしたのか?」
「へ?」
「わざわざお前がここに来るって事は、涼井から離れたいと思ってる時ぐらいだろ」
猫のように目を細めてニッコリと笑う真堂は、私の心の内を全て見透かしてるようにすら感じる。
「喧嘩、じゃないけど……離れた方が良いのかなって」
「やっと決心したの?離れた方がいいに決まってんじゃんあんなやつ!」
「水瀬〜、だから魔性なんだって…」
「アンタそれしか言わないじゃん!」
「魔性云々は置いといて、俺も離れた方が良いと思うけどなぁ」
「……なんで真堂もそう思うの?」
「そっちの方が面白そうだから」
まともな答えを期待した私が馬鹿だった。
ジーッと真堂を恨みがましく見つめると「そう睨むなよ」と爽やかに笑ってかわされた。
「いつの時代だって王族が転落するのを見るのは面白いもんだ。そうだろ?」
「私はそうは思わないけど…」
「なんにせよ、そういう事だ。あいつに嫌気がさして暴露話が出てきたら俺に言えよ?俺が面白く料理してやるから」
そんな日が本当に来るのだろうか。
もし本当に嫌気がさしたとしても、世那を悲しませる事だけはなるべくしたくない。
そう思ううちは嫌気がさすことが無いんだろうなぁと思い「当分は嫌気がさすことは無さそうだよ」と苦笑した。



