気まぐれ王子と召使い


「そう言えば三木雫さんってもう来なくなったんだね」


「あー。そう言えば、涼井に釘刺してからは音沙汰がないな。あいつも案外単純で可愛い所もあるもんだな」



ニヤニヤと笑う真堂も相変わらずいい性格してるよ。


「ていうかさぁ、甲斐が言う通り涼井の特別だったとしてもさー、アンタももう少し自我とか持てば?よくあんな自己中傲慢男に着いていこうって気になるよね」


「世那って"魔性"なんだよ、マジで!男の俺でもかなり持ってかれそうになったから、女の子なんて気をつけてないと大変なんだって!」


「言ってもアンタも自我ない方じゃない。ねぇ、真堂?」


「まぁ……無い方ではあるけど、甲斐の良い所はもっと別のところにあるからなー」


「し、真堂……お前、意外と友達想いなこと言ってくれるんだな……」


「馬鹿なところとアホなところと間抜けなところと……」


「し、真堂ぉ!」


ケラケラと楽しそうに笑う三人がなんとも眩しい。

5組ってなんか居心地良いんだよね。
うちのクラスが居心地が悪いのは当然だとして、5組はとりわけ明るい雰囲気がある。


(世那が居ないとモヤモヤもするけど、緊張感が無いのは良いなぁ)


安心なのは二人でいる時だけだ。
今思えば、学校では常に世那の目を気にしている。