気まぐれ王子と召使い

「美味い?」


「……美味しいよ?」


「美味いなら、お前が全部食っても良いけど」


「じゃあ二人で半分こしようよ。お腹すいてるんだよね?」


「…………」


私から視線を逸らし、どこか気まずげにゆっくりと瞬きする。

これは意外と気にしているのかもしれない。

そう考えたらなんだか世那がとても可愛くて見えてきた。


「あのさ、もう本当に怒ってないよ?世那さんが謝って反省してくれたらそれで全然良いんだから」


「本当かよ」


「本当だって。納得してなかったらもっとちゃんと言うから大丈夫だよ」



まるで怒られた子供を慰めてる気分だ。

でも、昔からこういう所は全然変わらない。


(可愛げはあるんだけどなぁ)


私の言葉にどこかホッとしたように笑い焼きそばを食べ始める。

いつもはどことなく圧を感じるのに、こういう時は子供の頃となにも変わらない彼に複雑な気持ちが芽生え始めているのを感じた。