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寝る前までずっと、モヤモヤ、モヤモヤ。
頭の中がぐるぐるして、落ち着かない。
食事中も全く集中できなくて、 お母さんに「お母さんが作ったご飯、おいしくないの?」なんて言われちゃった。
ベッドに転がって、ため息。
枕に一瞬顔を埋めてから、少し起き上がる。
窓の外をみると、目の前にハルくんのお部屋。電気がついてる。
夕方のことを思い出して、思わずむっとする。
でも――
「…私、ハルくんとキスしたんだ」
その瞬間が鮮明に蘇ってきて、思わず赤面。
頬がじんじんして、心臓がうるさい。
恥ずかしくなって、また枕に勢いよく顔を埋めた。
だめ、だめ。考えるな。
足をバタバタさせていると、スマホから愉快な着信音。
枕元にあるスマホの画面を表示すると――柳くんからだ。
……忘れてた。
頭の中にポワッと浮かび上がる柳くんの笑顔。
優しくて、安心できる笑顔。
次いで浮かび上がるのは、意地悪な笑みを浮かべたハルくん。
あの近すぎる距離。あの冷たいのに熱い目。
「…ハルくんのバカー!!」
ど、どうすればいいんだろう…。
ずっと鳴り続けてる着信音。出ないわけにもいかない。
柳くん、楽しみにしてたし…。



