【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




ひどいよ、ハルくん。

私、一応彼氏いるんだよ。

それに、ハルくんだって彼女いるんじゃないの?

ハルくんの布団。

甘い香りを思い出すだけで、胸がズキッと痛む。

キスって、好きな人同士がするもの。

そうじゃないの?



「……。」



ハルくんは、そうじゃなかったか。

私が想像もつかないくらい、大人の階段を上ってる。

しかも、複数と。

私とのキスなんて、挨拶くらい軽いのかもしれない。



「…ハルくんのバカ!アホ!女たらし!クズ!」



叫んで、ハルくんのお家を飛び出す。

聞こえないようにね。


走って、家に駆け込む。

玄関の扉を背に、崩れ落ちる。


唇に残る感触。

目を瞑ると、蘇ってくる。

ハルくんの冷たいけど、熱い目。

その視線が焼き付いて離れない。



「……~っ」



散々言ってるけど、私の方がクズだ。



だって、ハルくんとのキス、ひとつも嫌じゃなかった。


あれだけ、求められても拒んできたものが。


…………ハルくん相手だと、嫌じゃなかったの。