ひどいよ、ハルくん。
私、一応彼氏いるんだよ。
それに、ハルくんだって彼女いるんじゃないの?
ハルくんの布団。
甘い香りを思い出すだけで、胸がズキッと痛む。
キスって、好きな人同士がするもの。
そうじゃないの?
「……。」
ハルくんは、そうじゃなかったか。
私が想像もつかないくらい、大人の階段を上ってる。
しかも、複数と。
私とのキスなんて、挨拶くらい軽いのかもしれない。
「…ハルくんのバカ!アホ!女たらし!クズ!」
叫んで、ハルくんのお家を飛び出す。
聞こえないようにね。
走って、家に駆け込む。
玄関の扉を背に、崩れ落ちる。
唇に残る感触。
目を瞑ると、蘇ってくる。
ハルくんの冷たいけど、熱い目。
その視線が焼き付いて離れない。
「……~っ」
散々言ってるけど、私の方がクズだ。
だって、ハルくんとのキス、ひとつも嫌じゃなかった。
あれだけ、求められても拒んできたものが。
…………ハルくん相手だと、嫌じゃなかったの。



