【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




「……っ」



声にならない息が漏れる。

ハルくんの近さに、頭が真っ白になる。

抗えない。逃げられない。



でも――嫌じゃない。


唇を離したハルくんの瞳は、冷たさと熱さが入り混じっていて、私を試すように見つめていた。



「……これで、別れる理由できた?」



低い声が、胸の奥に突き刺さる。



「い、意味分かんないよハルくん…明日、どういう顔で会いに行けばいいの…」

「なんでもない顔して、会いに行けば?」



にっこりと。意地悪な笑顔。

なにがしたいの…ハルくんは。



それにハルくんは、知らないと思うけど。


私、ファーストキスだったんだよ。


今まで彼氏3人いるから、もう経験済みだと思ってたでしょ。

そういう雰囲気になったことはもちろんあったよ。

でも、できなかった。怖かったから。嫌だったの。


――好きじゃなかったから。



「…ハルくんのバカ!」



ドンッと押して、部屋を飛び出した。