「…ハルくんは、幼なじみなのに私のこと何にも分かってないよねっ」
「はっ…どの口が?お前に言われたくねーよ」
分かってないよ。何にも、分かってないじゃん。
私以外の女の子の香りがするベッドで押し倒されて、私がどう思うかとか。
ハルくんに押し倒されているこの状況、ちっとも怖くないこととか。
ひとつも分かってないじゃん。
「だって、ハルくん、」
「だって?だって、なに?………もう、どうなっても知らないから」
言い返してやろうと思ったのに、 ハルくんにさえぎられた。
そして、ぐっと近づく綺麗な顔。
こんな距離、知らない。
目が離せなくて、呼吸も忘れて。
心臓の音がうるさすぎて、 自分の声がかき消されそうになる。
そのまま――唇が重なっていた。
柔らかくて、熱くて、頭が真っ白になる。
「やっ…ハルくんっ…!」
びっくりして、思わず顔を逸らす。
でも、顎を掴まれてすぐに戻された。
「ちょっと黙れ」
そう言って、今度は噛みつくように、下唇に熱い感触。
恥ずかしくて、ぎゅっと目を閉じる。
心臓が暴れて、耳まで熱くなる。
痛いわけじゃない。むしろ、甘くて、痺れるような感覚。



