布団に残る香り。
心臓がドクドクと脈打って、嫌な音に変わる。
「ハルくん、答えて」
見下ろす目が、ほんの少し揺れた。
「…今すぐ洗濯して」
「むり」
キッと睨む私。
信じらんない。こんな場所に放り投げるなんて。
起き上がろうとした瞬間、肩を強い力で押される。
「ちょっ…やめてっ」
両手首を捕まれて、身動きが取れなくなる。
「なに?なに考えてるの…?意味分かんないよ、ハルくんっ!」
「こっちのセリフだわ」
「…は」
ほんと、意味分かんない。
「私のこと、バカにしてるの?」
「心底バカだなっていつも思ってるよ」
「なっ…」
頭、きた。もう許さない。せっかく仲直りしたばかりなのに。
「この状況なんとも思わねーの?男の家、ホイホイあがってバカじゃねーの」
ハルくんの言ってること、よく分からない。
ハルくんは、男だけどそんなんじゃない。幼なじみ。家族。
ハルくんは絶対に私が嫌がることをしない。
それに、私…ハルくんにされて嫌なことなんてないもん。



