【完】ハルくんの、かくしごと。




私に彼氏ができても「へー」としか答えない。

興味ないんだろうね。

でも、私の方は違う。

ハルくんに彼女ができたら、興味ありまくり。



「櫻井」



あ、柳くんのこと忘れてた。



「一回だけチャンスください」



柳くんはそう言って、また頭を下げて右手を差し出す。



「ふぅ」



聞こえないように息を吐く。


断れない。

右手を出して握手。



「よろしくお願いします」



深々と、私も頭を下げる。

きっと、振られるんだろうなと思いながら。

顔をあげると、柳くんは嬉しそうに笑っていた。

その笑顔は、まるで長い間待ち続けた願いが叶ったみたいに輝いていて、

私の胸の奥に、ほんの少しだけ罪悪感が芽生える。