【完】ハルくんの、かくしごと。




ハルくんがよそってくれたごはんを食卓まで運ぶ。

お箸と飲み物は私が用意する。これくらいならできる。



「いただきます」



向かい合って座って、お母さんが作ってくれたご飯を食べる。



「なにニヤニヤしてんの」



向かいに座るハルくんの怪訝な顔。

ハルくんがいてくれるのが嬉しくて、ついニマニマしちゃった。

いけない、気をつけなきゃ。

でも、頬の緩みは止められない。
だって、こうして一緒にご飯を食べるのは久しぶりだから。



「ハルくん、今日は寝るまでいてね。ご飯食べたらすぐ寝るからさ」



ホクホクの白ご飯を一口。



「分かってるって」



ぶっきらぼうにそう言うハルくん。



「あ、なんか見る?」



テレビをつけると、お笑い番組。

ハルくん、こういうの見なさそう。



「なんでもいいよ」



そう言うけど、私はハルくんの好み分かってる。

リモコンを操作して番組表をつける。

あ、あった。ハルくんが好きそうな音楽番組。

選んでチャンネルを変えると、さっきは見向きもしなかったのに、今はちゃんとテレビを見てる。



「今日、誰出てんの?」

「えっとねー…」



ハルくん、分かりやすい。 興味があるときは、すぐに顔に出る。

いつも、それくらい素直だったらいいのに。