【完】ハルくんの、かくしごと。




「お母さん、いつも多めに作ってくれるからそれ食べようよ」



いてて…と額を抑えながらそう言うと、ハルくんは立ち上がってリビングへ。

リビングにいるハルくん。その姿を見るのは、久しぶりだった。

ハルくんが私に冷たく接するようになってから、 ハルくんは私の家にあがっていない。

だから今日は、かなり奇跡。

ドライヤーを持って立ち上がる。ハルくんは、お母さんの作ったごはんをレンジで温めてくれている。

優しい。嬉しい。男前。

洗面所へドライヤーを片付けに行って、リビングへ戻ると、今度はご飯を盛ってくれていた。



「ハルくん…ほんと面倒見がいいよね」

「お前が、できなさすぎんだよ」



家庭の成績は一番下の私。女の子として致命的。

それにしても、ハルくんの面倒見の良さは本当にすごい。 私よりずっと家庭的。

大学生のお兄ちゃんが一人いるから、どっちかというと「お世話される側」のはずなのに。
なのに、ハルくんは人の世話を自然にこなしてしまう。

それに比べて私は一人っ子。
何でも自分でできるようになるはずなのに、全然できない。
むしろ、ハルくんに頼りっぱなし。