「なに?気になる?」
ドライヤーの電源が切られて、急に静かになる。
真上を見上げると、ハルくんが後ろから私の顔を覗き込んでいた。
真下から見下ろすその顔。サラサラの黒髪が、私の頬に少しだけかかる。
「き、気になるというか…」
綺麗な顔が至近距離。呼吸が浅くなる。
「じゃあ、なに?」
両手でガシッと頭を固定されて、体勢がキツい。
「…私がいるのに、女の子を連れ込みまくるのはどうなのかなーって…」
紗里衣ちゃんには、“度を越えすぎ”って言われたけど。
「お前、どういう気持ちでそんなこと言ってんの?」
グッと、頭を掴む両手に力が入った気がして、少し痛い。
冗談のつもりだったのに、ハルくんの反応は本気みたい。
近すぎる距離。真剣な目。



