【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




チラッとハルくんを見上げる。 全然怖そうじゃない。
その落ち着いた横顔に、余計にしがみつきたくなる。

ぎゅっと力を入れて腕に抱きつく。



「は、ハルくん…怖い」



震える声でそう言う。

ハルくんはテーブルに置いてあるリモコンを手に取る。



「見るのやめる?」



ぶんぶんと横に首を振る。

見たくないけど、見ちゃう。この気持ち、分かるよね。

ハルくんは私の様子を見て、ため息をつく。

それでも「わかった」と言ってくれる。

腕を振り払われるかなと思ったけど、振り払われない。
そのまま、映画の音だけが部屋に響いて。

心臓の音は、私の中でひとり大きく鳴っていた。


くっついたついでに、腕に顔を埋めてみる。

ハルくんの匂い。爽やかで、優しくて、柔軟剤の香り。


その瞬間、急にバッと腕を振り払われた。



「え…」

「“え”じゃねーよ。嗅ぐな」



ば、ばれてた。
でも、酷い。怖いって言ってるのに。



「もう嗅がないからっ!」

「無理。見るのやめよ」



そう言って、ハルくんは今度は本当に停止ボタンを押す。 画面が止まる。

タイミングよく、幽霊が写っている場面で。