【完】ハルくんの、かくしごと。




その瞬間――ハルくんはパチッと目を開けて、急に体を起こした。



「ハルくん、寝てないとっ」



そう言った瞬間、手が離れてしまった。

すると、ハルくんは両手を広げて――



「ちあ。抱っこしてあげる」

「……えっ」



…え?
トロンとした目。赤い顔。寝ぐせでぐしゃぐしゃの頭。小さい顔に、大きな冷えピタ。

「抱っこしてあげる」って、また私がねだったみたいに聞こえる。

でも、また条件反射。

ハルくんが熱を出しているなんておかまいなしに、その胸へ勢いよく飛び込んだ。ぎゅっと抱きしめられる感覚。熱のせいで少し汗ばんでいるのに、安心する。

ベッドの上でよろけるハルくん。ぎゅっと抱きしめられながら、横になる。なぜか布団をかけられて、気づいたら寝る体勢になっていた。



「は、ハルくん?」

「んー。ちあ、わがままばっかり」

「…私じゃないんだけど」



ハルくん、完全に熱でやられてる。その言葉も、半分夢の中みたい。

今のうちに、熱を測ってやろうと思って、サイドテーブルに置いてある体温計へ手を伸ばす。