「まさか、千秋ちゃん。今日で、最後とか言わないよね?」
「え?」
「友達もやめる気?」
「そのつもりは、ないけど」
むしろ、友達でいたいって言いたかった。
荻原くんは、「よかった~」と安心して笑ってる。これは、たぶんほんとの表情。
「佐々木と、うまくいくと、いいね」
ほんとにそう思ってる? じとっと荻原くんを見つめると、「ん?」って。
「荻原くん、うまくいくといいなんて思ってないでしょ」
「はは。俺、置いて行かれたくないし」
正直者。
うまくいく、なんて。ありえないけどね。
唇をきゅっと結んで、コーヒーを飲んだ。
BGMの音だけの店内に、カラカラと氷の音が響いていた。



