教室に戻ると、紗里衣ちゃんが泣きそうな顔をして謝ってきた。その顔を見た瞬間、私もまた泣いてしまった。
紗里衣ちゃんは、最初から私の気持ちに気づいてたんだと思う。バカでどうしようもない私のことを、ずっと見捨てないでいてくれた。
2人で泣いていると、何事だと教室内がざわざわした。でも、もう気にならなかった。
落ち着いてから、紗里衣ちゃんに、さっきの出来事をすべて話した。柳くんに話を聞いてもらったこと。 ハルくんへの思いも、全部。
すると紗里衣ちゃんは、涙をこぼしながら言った。
「ほんと、遅いよっ、ばかっ……!」
その言葉に、胸がぎゅっと締めつけられた。
「遅いよね、ほんとにっ……もう、どうにもならないよねっ……」
そう思ったら、また涙が止まらなくなった。
紗里衣ちゃんは、私をぎゅっと抱きしめながら言った。
「何言ってるの、千秋っ……気付くのが遅かっただけであって、幼なじみはどんな千秋も受け止めてくれるでしょ? そういう器のでかい男じゃないの? きっと、幼なじみだけだよ、千秋のこと分かってくれるのっ……それに、幼なじみのことをわかってあげられるのも、千秋だけだと私は思うのっ……」
ぎゅっと、強く抱きしめられる。
その温もりに、胸が暖かくなって、でもまた痛くなって、涙が止まらなかった。
紗里衣ちゃんが言ってくれたことが、ほんとだったらいいなぁ……。
きっと、そんなことはもう叶わないだろうけど。
夢見るくらいは、許してね、ハルくん。



