【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




「は、ハルくんなんて、いつも女の子連れ込んでっ…」

「一緒にいたらドキドキする?」

「ドキドキよりも、安心というか……この時間が続けばいいのになって、」

「……うん」

「手を繋いでるとき、ぎゅってしたらその倍ぎゅってしてくれて、」

「……うん」

「私が知らなくてもいいから、私がいなくてもいいから……どこにいても、幸せで、いてほしいの……私なんかのこと、忘れて、ずっと、……」



17年。

あまりにも長い時間。

一緒にいた、一緒にいすぎて、気付けなかった。

それを、“恋”と呼ぶには、あまりにも日常だった。

ハルくんの幸せを願うなんて、あまりにも当たり前だった。

ドキドキする瞬間はあった。

嫉妬したことも、何度もあった。


でも、それ以上に――ハルくんの隣にただいるだけで安心できた。


「好き」という言葉に閉じ込めるには、あまりにも大きすぎて、深すぎて、当たり前すぎる。



「愛、だな、それは」

「…あ、い?」

「うん。愛だよ、櫻井」



柳くんのぽつり、呟いた言葉。

その一言が、胸に落ちて、動けなくなった。


恋と愛の境目なんて、考えたこともなかった。

でも、柳くんの言葉で、はっきりと見えてしまった。

私がハルくんに抱いていたものは、ただの「好き」じゃなかった。