ハルくんと顔を合わせないまま、一か月が過ぎた。
気づけば、夏休みに入っている。
夏だというのに、まるで冬眠しているみたい。もう何日も家から出ていない。
ベッドの上で過ごす時間ばかりが増えていく。
毎年の夏休みは、暑いのが苦手なハルくんを無理やり連れ出して、 映画を見に行ったり、夏祭りに強制的に連れて行ったり、 花火をしたり、家族ぐるみでバーベキューをしたり―― それなりに夏を満喫していた。
でも、今年は違う。
ハルくんのお兄ちゃんが帰ってこれないらしいし、私のお父さんも出張中で、バーベキューは開催されない。
正直、ホッとしている。
だって、ハルくんとはもう幼なじみやめたもん。
もう、ずっと会ってないし、顔も見ていない。声だって聞いていない。今、何をしてるのかさえ、分からない。
会いたくない。ずっと。
もう、このままでいいって思ってた。
「千秋!部屋にいるなら出てきて~。あんた、そろそろ外出たらどう?」
扉越しに、お母さんの大きな声が響く。
「……はーい」
適当な返事をして、スマホを触る。



