「じゃあ、忘れよっか」
グイっと首に回された腕に体重が乗って、ベッドに倒れる。
何度も見た光景。いつもは目を瞑る。 でも、もうそんなことしたくなかった。
ちあに隠してることなんて、いっぱいある。
女を連れ込んでる遊び人だと思われてるけど、ほんとはちあのことを思って抱いてること。
ホラー映画よりもアクション映画のほうが好きなこと。
でも、それを言ったら毎日部屋に来そうだから、あえてホラーを選んだこと。
ちあの左手を握るたびに、離したくなかったこと。
ちあの言葉ひとつひとつが、俺の心を揺さぶってくること。
ちあのことが、好きでたまらないこと。
全部、隠しておきたい。誰にも、知られたくない。
俺のいないところで、幸せでいてくれたら、もうそれでいい。
俺が隣にいなくても、笑ってくれていたら、それでいい。
ちあは、ずっと、俺の思いなんて知らなくていい。
知らないままで、笑っていてくれたら、それでいいよ。



