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「遥、最近前より冷たくなーい?」
「そんなこと、ないと思うけど」
ベッドの上。好きじゃない、甘い香り。
首に絡みつく腕。近づいてくる顔。よく見ると、似てない。全然。
「ねぇ、私以外に何人いるの?」
「どーでもよくない?」
「どーでもいいけどさぁ。好きな人、いないの?」
どこに行っても聞かれる、この質問。
「……いるよ、もうずっと、前から」
そうつぶやくと、驚いた顔をした。
「初めて聞いたんだけど」
「……隠したかったから、死ぬまで」
「そんなに、好きなんだ?」
好きだよ、ほんとに。
「……忘れたいくらい、すき」
全部、なかったことにしたいくらいには。



