【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




いつもとは違うハルくんに戸惑い。ハルくん、中学生のときに戻ったみたい。私に冷たい態度をとる前。

なぜか、ぎゅっと胸が苦しい。

その胸の苦しさに気付かないふりをして、教室へ入る。



「遅くない?俺の方が早かったんだけど」


「…なんでいるの?」



漫画を読む紗里衣ちゃんの隣。田口くんの席に、荻原くん。

…なんで? しかも、早い。職員室行ってたんじゃなかったの?

じとっと荻原くんを見ると、すぐに「職員室、嘘」って。この男!

しかも、そこの席、私の特等席なんですけど。 紗里衣ちゃんの隣。田口くんの席だけどね。



「もう、荻原くんどいてよっ」


「酷い。昨日、キスした仲なのに」


「はっ?」



ちょっと、なんてこと言うの? 紗里衣ちゃん、びっくりしてるじゃん。

教室に人が少なくてよかったよ。

荻原くんを睨む。精一杯ね。



「キスしてないでしょ。変なこと言わないで」


「はは」



もう、やだ、この人。やっぱり苦手。苦手!

それに、紗里衣ちゃんはなんでガッカリしてるの。



「千秋、私さ、幼なじみ以外の男のこともっと知った方がいいと思ってるよ」



急に真剣。読んでた少年漫画を片付けてる紗里衣ちゃん。今日も、少女漫画じゃないんだ。

紗里衣ちゃんの手元から、目に視線をずらす。真剣な目。



「…男友達、少ないけどいるもん」



多分、そういうことじゃないよね。 紗里衣ちゃんが言いたいこと。