【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




「昨日、仲良くなったんだよね~」



そう言って、軽いノリで肩を組んでくる。



「やめてよっ」



そんで、重いっ。

ハルくんの顔見て? すっごい不機嫌。

さっきまで機嫌よかったのに…。



「一緒に教室まで行こって言いたいところだけど、職員室に用あるんだった」



そういって、嵐のように去っていく荻原くん。

ほんと、変。気が狂う。

ハルくんをチラッと見ると、超不機嫌。

でも、私の視線に気づいて、優しい目をした。

久しぶりに見たその目に、思わずドキッとする。

ずっと、冷たくて鋭い目だったから。



「あいつと、仲良いんだ?」


「あいつって…荻原くんだよ、ハルくん。昨日、知り合ったばっかり」


「へー」



興味なさそうな返事。

なんで聞いたの。



「昨日知り合った割に、距離近かったけど?」



一瞬、声色が変わった気がした。

怒ってるときの声、に聞こえた。

恐る恐る顔を見るけど、普通。

気の、せい?



「…荻原くん、私に恋を教えてくれるらしい」



ぽつり。言わなくてもいいことを、また。

正直者だから、嘘とかもつけないの。ハルくん相手なら、尚更。嘘も、隠し事もできない。

ハルくんは、ほんの一瞬だけ目を細めた。でも、すぐにいつもの無表情に戻る。



「付き合うの?」


「付き合わないよ。また、いい加減にしろって言われるし。私自身、もう、そういうことしたくないの」



ハルくん、また「へー」って。

自分から聞いてきたくせに、興味なさそう。

なんなの。



「じゃ、また」 なんて、いつもは言わないセリフをつけて、手をひらひらさせている。

戸惑いながらも、手を振りかえす。

“また”って。 いつも言わないのに。

ハルくん、”また”って、いつ? 今日、帰ってから? それとも明日?