学校に着くと、思った通り。
ヒソヒソ、話し声が聞こえる。四方八方から。
「ねぇ、昨日さ荻原くんと一緒にいたの見たよ」
「それなのに、佐々木くんといるの?信じらんない」
早いなぁ、噂って。すぐ回る。
ハルくんは、気にしてない様子。そうだよね。ハルくんだもん。
靴を履き替えて、ため息ひとつ。
私、何やってるんだろう、ほんとに。昨日の自分、過去最悪。そして、今日の自分も昨日につられて最悪だよ。
最低。クズ。
…もうっ、汚い言葉ばっかり出てくるっ。
むっとしながら下駄箱をしめると、
「千秋ちゃん、おはよ」
――昨日、散々聞いた声。出会って2日目。
「…おはよ」
「俺たち、付き合ってるらしい」
朝から、よく笑う。
「誰?」
反対から靴を履き替えたハルくん。
「誰って、酷くない?同じクラスだろ」
「そーなの!?」
だから昨日、ハルくんの教室の前にいたの!?
ハルくん、ほんと人に興味ない。同じクラスなのに分からないなんて。



