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翌日。
つい、癖で。癖だから、しょうがない。
ガチャッと玄関の扉が開く音がして、私の方へ向かってくる。
「おはよ」
――初めてかも。ハルくんから挨拶してくれたの。
「お、はよ」
こっちが動揺する。
だって、昨日の今日だよ。
迎えに行く私もどうなの?って感じだけど、私は癖だもん。でも、ハルくんの方はおかしい。
「今日、一緒に帰れない」
「あ、うん」
ハルくんから、言ってくるの初めて。
いつもだったら、私から「一緒に帰ろう」ってしつこいくらい言うのに。それに、ため息だってしてない。
なに?どうしたの、ハルくん。
チラッと見ると、「なんだよ」って。
だって、おかしいもん。
ぴとっと左腕にくっついてみる。
「ふざけんな」って押される。
触るのはダメみたい。
昨日あれだけイライラしてたのに、今日のハルくんを見たら、もう怒る気になれなくて。
なんだか、気が抜ける。
「お前、今日髪巻いてんの?」
「え?」
「似合ってんじゃん」
――な、に。
いつものハルくんは、こんなこと言わない。なんで、急に。
「ハルくん、どうしたの、おかしいよ」
「なにが?」
「似合ってるとか、そういうの。おはよもいつも言わないじゃん」
そういうと、ちょっと眉間に皺。
なんでよ。
「いいじゃん、別に」
開き直り。
いいよ。悪くないけど、さ。
調子狂うよ。おかしい。変。



