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気付いたら電車に乗っていて、重い頭を荻原くんに預けながら、15分揺られていた。
ボーっとして、何も考えられなくて。ほんとに疲れた。勉強してるときでさえ、こんなに頭使わないのに。
電車を降りて、改札を抜けて、お家まで歩く。
なぜか荻原くんが、私の左手をずっと握ってくれている。
荻原くんの手、あったかい。結構ごつごつしてて、意外と大きい。
泣き腫らした目で見上げると、ハルくんと同じくらいの身長。だから、少し首が痛くなる。
「なに?」
見てるのがばれて、咄嗟に首を横に振った。
「いたっ、髪!」
「あ、ごめん」
髪の毛、当たったみたい。ごめん。
「荻原くん、お家どこ?」
声を出すと、自分じゃないみたいな声が出た。喉が枯れてる。
「電車、もう一本先だから気にしなくていいよ」
軽い調子で答える荻原くん。
「それより、喉乾かない?コンビニ行ってくるから、待ってて」
そう言って、私に気を遣ってくれたのか、「絶対動かないでね」なんて念を押して、コンビニに入って行ってしまった。



