でも、泣き止もうとすればするほど、涙は止まらなくなる。
ねぇ、ハルくん。
こんなときでも、思い浮かぶのはハルくんだよ。
ほんとに子どもみたいに、わんわん泣いていたら―― 後頭部を優しく引き寄せられて、 周りから隠すかのように、ぎゅっと抱きしめられた。
あったかくて、優しくて。
意外と背中は大きくて。
でも、ハルくんとは違った匂い。
私が苦手な、甘ったるい香り。
それなのに、今はその香りに包まれて、 少しだけ安心してしまう自分がいる。
「大丈夫だよ」
耳元で囁かれる声。
その優しさに、また涙が溢れる。
本当は、ハルくんに抱きしめられたかった。



