【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




逆に歩く速度をめちゃくちゃ遅くしてみる。



「さっきからなにしてんの?」



なんて、荻原くんがクスクス笑う。

ムカつく。

今日、ずっとイライラしてるのに。



「荻原くん、早く帰りなよ」


「一緒に帰ろうよ」



やめてよ、目立つんだから。

周りの視線が刺さる。

ハルくんの隣にいるときとは、また違った視線。

ハルくんといるときは、女子の視線が冷たくて、居心地悪い。

でも荻原くんはフレンドリーで、誰にでも声をかけるから、その分、余計に目立つ。



「流星、じゃーね。明日カラオケの約束忘れないでね」


「分かってるってー」



道行く人に声をかけられて、まるでアイドル。


ほんと、疲れそう。みんなに愛想振りまいて、バカみたい。

今日の私、口悪い。だって、イライラしてるんだもん。しょうがない。


隣の人間なんて気にせず、スタスタと歩く。

爆速で靴を履き替えて、駅方面へ。