逆に歩く速度をめちゃくちゃ遅くしてみる。
「さっきからなにしてんの?」
なんて、荻原くんがクスクス笑う。
ムカつく。
今日、ずっとイライラしてるのに。
「荻原くん、早く帰りなよ」
「一緒に帰ろうよ」
やめてよ、目立つんだから。
周りの視線が刺さる。
ハルくんの隣にいるときとは、また違った視線。
ハルくんといるときは、女子の視線が冷たくて、居心地悪い。
でも荻原くんはフレンドリーで、誰にでも声をかけるから、その分、余計に目立つ。
「流星、じゃーね。明日カラオケの約束忘れないでね」
「分かってるってー」
道行く人に声をかけられて、まるでアイドル。
ほんと、疲れそう。みんなに愛想振りまいて、バカみたい。
今日の私、口悪い。だって、イライラしてるんだもん。しょうがない。
隣の人間なんて気にせず、スタスタと歩く。
爆速で靴を履き替えて、駅方面へ。



