「見て。似てると思わない?荻原くん」
そう言って、紗里衣ちゃんが見せてきた少女漫画。
最近出てきた、あのライバル――当て馬キャラ。
「このキャラ、もしかして当て馬?」
「そう」
「酷くない?」
クスクス笑ってる荻原くん。
確かに、似てる。そっくりかも。当て馬キャラだけど。
「これは結局、幼なじみの男の子とくっつくから。千秋もそうなればいいのにね?」
「まさか、私とハルくんのこと言ってる?そんなんじゃないってばー!」
そう言ったら、また言い出した。ハルくんと、似てるって。
ページをめくって、わざわざ荻原くんに見せる紗里衣ちゃん。
「なんか複雑。俺、負けるんでしょ?」
荻原くん、乗らなくていいから。
「てか、佐々木と…えっと千秋ちゃん?は付き合ってないんだよね?」
何十回、何百回も聞かれた質問。
もう答える内容はテンプレ。
「ハルくんは、幼なじみだよ」
ついさっき、酷い思いしたんだから。
もう、私にその質問はNGにしようかな。
胸あたりに「佐々木と付き合ってるか聞くな!」なんて紙を貼り付けるイメージ。
「もう一生聞かないでね?」の意を込めて、じとっと荻原くんを見る。
すると、クスっと笑って――
「千秋ちゃん、おもしろいね」
なんて。
どこが?



