【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。


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「…それで、別れちゃったんだ?」


「…はい」



教室に入った瞬間、紗里衣ちゃんに言われた。

「駅前で佐々木くんが喧嘩してたって噂になってたよ」

だから、正直に全部話した。柳くんと別れたこと。その原因。ハルくんのこと、全部。

紗里衣ちゃんの隣に座って、心の中では土下座。怖い。

そろそろ、見限られるかもしれない。

友達やめるなんて言われたら、どうしよう。



「千秋、幼なじみくんにキスされて嫌じゃなかったんでしょ? 他になにか思わなかったの?」


「ほ、か?…嫌じゃなかったけど、イライラはした…」


「そうじゃなくて、ドキドキとかさ」


「そ、それはもちろんっ、初めてだったし…!」



紗里衣ちゃん、難しい顔をして悩んでる。



「どう言ったらいいかな…」



頭を抱えている紗里衣ちゃんの、真後ろ。

開いている扉から、見たことない男の子。



「そこ、田口の席だよね?」



私が今座ってる席。紗里衣ちゃんの隣、田口くんの席。



「机の中、俺の数学の教科書入ってない?裏に荻原って書いてある」



失礼します、と心の中で呟いて、机の中をごそごそ。

あった、数学の教科書。

裏を見ると、確かに――荻原。