教室の扉を開けると、真っ先に目に入るのは廊下側、一番後ろの席。
漫画を読んでいる、紗里衣ちゃん。
「おはよー。新刊持って来たよ」
そう言って、読んでいた新刊らしきものの表紙を私に見せる。
「さすがですねー。昨日発売だったよね?」
「どこの本屋にもなくてさ、夜まで探しましたよ」
その一冊は、紗里衣ちゃんの勲章みたいなもの。
私たちが最近ハマっている少女漫画。
新刊の4巻はきっと、幼なじみのヒロインを好きな男の子に、 ライバルが現れる展開。
そういう王道の流れを想像するだけで、胸が高鳴る。
紗里衣ちゃんの努力で手に入った一冊を前に、 私も早くページをめくりたくて、指先がそわそわする。



