<いつもはひどく真面目ぶっていて、並大抵の女性に惹かれるような男ではない。その薫の君がこれほど言うのなら相当な姫君たちなのだろう>
匂宮様はどうしようもなく会いたくなってしまわれる。
「どのような人たちか分かったらまた教えておくれ」
本当は今すぐにご自分でお訪ねになりたいけれど、そんな軽率なお振舞いができるご身分ではない。
<親王の身分など邪魔なだけだ>とさえお思いになる。
いらだっていらっしゃるのがおかしくて、薫の君はわざと真面目な顔でおっしゃる。
「いやいや、私としたことが。すぐにでも出家したいと思って恋愛などからは距離を置いておりますのに、本気になってしまったら出家できなくなります」
匂宮様はお笑いになった。
「またそうやって辛気臭いことを言う。いつまで悟り澄ましたような顔をしていられるかな」
匂宮様はご自分が恋愛好きだから、薫の君も姫君に夢中になるはずだと決めつけておられる。
でも薫の君は、さんざん匂宮様のお気を引いたくせに、姫君たちよりも老女房のほのめかしていたことの方が気になっていらっしゃる。
出生の秘密を知りたいお気持ちが、美しい姫君への関心をはるかに上回っているの。
匂宮様はどうしようもなく会いたくなってしまわれる。
「どのような人たちか分かったらまた教えておくれ」
本当は今すぐにご自分でお訪ねになりたいけれど、そんな軽率なお振舞いができるご身分ではない。
<親王の身分など邪魔なだけだ>とさえお思いになる。
いらだっていらっしゃるのがおかしくて、薫の君はわざと真面目な顔でおっしゃる。
「いやいや、私としたことが。すぐにでも出家したいと思って恋愛などからは距離を置いておりますのに、本気になってしまったら出家できなくなります」
匂宮様はお笑いになった。
「またそうやって辛気臭いことを言う。いつまで悟り澄ましたような顔をしていられるかな」
匂宮様はご自分が恋愛好きだから、薫の君も姫君に夢中になるはずだと決めつけておられる。
でも薫の君は、さんざん匂宮様のお気を引いたくせに、姫君たちよりも老女房のほのめかしていたことの方が気になっていらっしゃる。
出生の秘密を知りたいお気持ちが、美しい姫君への関心をはるかに上回っているの。



