野いちご源氏物語 四五 橋姫(はしひめ)

寒そうにしていた家来はというと、(かおる)(きみ)からいただいたお着物があまりによい香りで困っている。
中身はそのままなのだから、着物や香りだけ上等になってしまってもね。
()()()いな香りを会う人会う人に驚かれて、かえって肩身(かたみ)(せま)そう。
いっそ早く香りが消えてほしいと思うけれど、なにしろ薫の君のお体から移った香りだから、簡単には消えない。
なんだか気の毒だわ。