帰り道も馬でというのは軽々しいので、都に取りに行かせた乗り物が到着するまで、お供とお待ちになる。
「川に漁師がたくさん来ているようだが、あまり獲れないらしい。文句を言って騒いでいる」
このあたりの事情に詳しいお供同士が、近くの川を見て話す。
薫の君もご覧になると、川には粗末な小舟がいくつか浮かんでいて、漁をしたり荷物を運んだりしている。
<それぞれが何ということもない仕事のために、舟にゆられて行きかっている。心細い生活だろう。しかしそれは私だって同じだ。貴族だからといって特別ではない。絶対に安心な世の中だとは思えない>
悲観的に考えすぎてしまわれる、いつものお癖ね。
「川に漁師がたくさん来ているようだが、あまり獲れないらしい。文句を言って騒いでいる」
このあたりの事情に詳しいお供同士が、近くの川を見て話す。
薫の君もご覧になると、川には粗末な小舟がいくつか浮かんでいて、漁をしたり荷物を運んだりしている。
<それぞれが何ということもない仕事のために、舟にゆられて行きかっている。心細い生活だろう。しかしそれは私だって同じだ。貴族だからといって特別ではない。絶対に安心な世の中だとは思えない>
悲観的に考えすぎてしまわれる、いつものお癖ね。



